子離れと親離れ。その1。

金融機関に勤める息子が転勤することになった。

息子は5年ほど前に名古屋の大学を卒業して、
そのままずっと某金融機関の名古屋支店に勤めていたが、
金融機関はどこでも転勤がつきもので、
いつまでも同じ支店にいられるわけではない。

息子の勤める会社では、
同一支店は最長5年勤務ということで、
今回は転勤願いを出したところ、
東京の新宿に行くことになって、
先日、最終の新幹線で旅立って行った。

ところで話しは変わるが、
息子は結婚してから我が家の近くに住んでいて、
何かあるたびにうちの嫁が駆けつけて、
あれこれと世話を焼いている。

うちの嫁は孫の顔が見れるからと、
大喜びで駆けつけるのだけれど、
息子の嫁さんの邪魔をしていないかと、
ちょっと心配だった。

けれども、
うちの嫁も、息子の嫁さんと仲良くやっているので、
まぁたいして問題があるわけではない。

ただ、
あまり手伝ってやると、
息子が親離れできないんじゃないかと、
余計な心配をしていたのだけれど、

いざ、息子の転勤が決まって旅立っていくと、
不覚にも涙がこぼれそうになった。

おやまぁ、親離れできない息子の心配どころか、
子離れできないオイラのほうが情けないわ。
などと年取った道具屋おやじは、
自分の未熟さを反省するのでありました。

こうやって、親も子供も育って行くのだろう。
孫の顔を見れなくなるのは寂しいけれど、
息子の人生を邪魔するわけにもいかない。

我慢、我慢と自分に言い聞かせるのでありました。

続く