悪魔の囁き、その10。コロナ太りで…

まさかと思っていたのだけれど、
コロナ太りって言葉があるようだ。

というのも、
実はここのところずいぶん太ってしまった。
どれぐらい太ったのか、結果を見たくはないので、
体重計にはのっていないが、たぶん5~6kgは..。

まずいなぁ。

明日は近所の医院に行って通風の薬を
もらわなくっちゃいけないので、

おかわりありませんか?
と先生に聞かれたら、
太ったことはナイショにして、
全然変わりませんと、ホッペを膨らまさないように
演技しなくちゃいけないかもね。
面倒やなぁ、ちゃんと節制しておけば良かったよ。
尿酸値、上がってないといいんだけど…

太った原因は簡単でね、要するに飲み過ぎと食べ過ぎ。

オイラはいつもは週に1回か2回しか飲まないのだけれど、
コロナの影響で売り上げが悪いため、
将来的な不安を少しでも紛らせようと、
ついつい飲む回数が増えてしまう。

飲む量も増えていて、
普段は缶ビール1本ぐらいでOKだったのが、
今では、黒と普通の奴をハーフ&ハーフで混ぜて飲んで、
それから焼酎のお湯割を1杯、飲むことにしている。

おまけに、
将来が心配になることでストレスがたまって、
やけ食いも始まってしまった。
仕事中に空腹感に襲われると、
店の営業時間内でも途中で店を閉めて、
近所のスーパーにお菓子を買いに行ってしまう。

店の玄関のドアに、
「15分で戻ります」
なんて張り紙をするたびに、
これじゃあいかんなぁと罪悪感に苛まれるのだけれど、
不安感を慰めるには、買い食いが一番手っ取り早い。
困ったものだ。

’オヤジだけじゃないよ。太っているのは。
コロナ太りという言葉もあるようだからね’

さっきから気配を見せていた悪魔が、
はっきりと姿をあらわして、オイラに囁いた。

そうか、コロナのせいで太っている人もたくさんいるのか。
そりゃそうだ。まだまだ先が見えない状態だから、
不安感に纏わりつかれてもしょうがない。
簡単にストレス発散するのには、
やはり食べたり飲んだりが、
一番気軽にできるからね。

そこで、悪魔のいうような言葉があるかどうか、
とりあえず「コロナ太り」で検索してみると、
まぁ、出てくるわ、出てくるわ。

コロナのせいで外出自粛や自宅勤務で運動不足になったり、
食生活が乱れて太ってしまう方が、大勢おられるようだ。

そしてこれではいかんと、
コロナ太り対策の筋トレなどを紹介する記事もあった。

外出自粛…「コロナ太り」 食と筋トレで上手に解消
5/14 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/202005/CK2020051402000164.html
記事で紹介されているスクワットをやることにして、
ちょっとだけ始めたのだけれど、
これがなかなかきつくて、
老体に鞭打たないとできない。

辛いことは長続きしないから、
すぐに止めるのがポリシーなので、
(情けないポリシーだよ)
他に何かないかなぁと考えていると、
目の前の悪魔がポツリと囁く。

’サナダムシに助けてもらえよ’

サナダムシって、あのサナダムシかい、
人間のお腹に寄生するという…。
そのサナダムシに
どうやって助けてもらうんだろう?

悪魔に聞いてみたが、
残念ながら少しづつ夜明けの時間が
早くなってきたので、
今日も早めに姿を消した。

明日はぜひサナダムシ作戦を聞かなくては…

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-お断り-
この話はすべてフィクションで、
たまたま見た夢を綴っただけのことです。
外出をオススメしているわけではありませんので、
念のため。
なお、この物語は当分の間、続きますが、
すべて実在の人物、会社、組織とは関係ありません。
どうぞご承知おき下さい。



悪魔の囁き、その9。風評被害と安全策。

今朝は2時前に起きて、
ホームページの手直しをしている。
5/15から自粛解除となったので、
最新の釣果をアップできるように、
ファイルをちょっといじっていると、

いつの間にか現れた悪魔が小さい声で囁いた。

’もう最新釣果は掲載するのかい?’

あぁ、もう自粛解除だから、集まってくる最新釣果は
掲載するつもりだ。

’それがいい。自粛、自粛もストレスがたまるし、
ストレスがたまったら動物的にも弱くなるので、
簡単にコロナに負けるぜ。
できるだけ皆さんが、
発散できるようにしたほうがいいよ’

続けて、

’でも、コロナが流行り始めた頃は、
ずっと最新釣果を掲載していたから、
ずいぶん危ない橋を渡っていたんじゃないかい?
気がつかなかっただけかもしれないけれど’

などと悪魔がいうので、
ちょっと前の状況を振り返ってみると
確かに自粛ムードが高まった後でも、
お構いなしに最新釣果を掲載していたから、
真面目な方にとっては、
とても目障りだったかもしれないね。

’抗議が2件ほどあったんじゃない?’

悪魔のいうとおりだ。
自粛しているのに、
最新釣果を掲載するのはけしからん。
そういってきた方が、お二人ほどおられたね。

’それでどうしたんだっけ?’

オイラはその時すでに、
今回のコロナ騒動はたいしたことがないから、
そのうち収まるので知らん顔して、
ほっておこうと思っていたのだけれど、

自分が思っている以上に、
事態を深刻にしたい力が働いたようで、

ヨーロッパのように都市封鎖=ロックダウン
とまではいかなかったけれど、
東京や大阪では、
けっこう厳しく自粛していたようだね。

そのため、大阪からお一人、東京からお一人、
最新釣果の掲載を控えるべきだと抗議がきたんだね。

’抗議が来てどうしたんだっけ?’

オイラはそのまま掲載するつもりだったんだけれど、
なんだか心配になったので、
お二人の方にお知恵をお借りした。

お一人はメーカーの営業部長さんで、
どうしたらよろしいでしょう?
などとアドバイスをお願いしたら、

「非常に難しい問題ですね。
弊社では、営業マンの得意先訪問を見合わせておりますが、
それは風評被害にあわないようにとの配慮です。
道具屋おやじさんのところも、
自粛されたほうが波風が立たなくてよろしいのでは」
ということだったね。

さすがに苦労人の営業部長さんだ。
アドバイスは身に沁みたよ。

’もう一人はお医者さんだったっけ?’

そうご常連のお医者様で、
ご返答いただいたメールにはこう書かれていた。

「大変な状況で心配しておりますが、
ラストホープは、僕がフライフィッシングを始める
きっかけを作って下さった
大変大切なお店です。
文字通り、僕のラストホープです。
どうか、ご自愛頂いてください。 」

’これでもう心は決まって、
すぐに最新の釣果掲載を止めたんだったね。’

と悪魔がいうので、

そうそう、先生にこういわれて、
有難いお言葉だなぁと泣けてきたんだね。
それでオイラも意地を張るのを止めたんだよ。

1ヶ月ぐらい前のいろんなことを思い出しながら、

やっぱりうちの店は、
いいお客様や取引先に恵まれているよ。
おかげで風評被害もなく何とか乗り切れそうだ、
と悪魔に言ってみると、

悪魔も嬉しそうにニコニコしていた。

変な奴だなぁ、
悪魔って、普通は他人の不幸を願うのじゃないかねぇ。
うちに来る悪魔はちょっと変わっているよ、
こいつ、本当に悪魔なのかねぇ?

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-お断り-
この話はすべてフィクションで、
たまたま見た夢を綴っただけのことです。
外出をオススメしているわけではありませんので、
念のため。
なお、この物語は当分の間、続きますが、
すべて実在の人物、会社、組織とは関係ありません。
どうぞご承知おき下さい。



悪魔の囁き、その8。味噌と納豆があるじゃないか。

‘昨日は途中でいなくなって悪かったな’

話の途中で消えてしまった悪魔が、
悪びれることもなく、またいつもの時間に現れた。

’実はね、日本株のBCGだけではなく、
もう一つ、新型コロナ防御に有効じゃないかと
いわれているものがある。’

いったいそれは何だい?

早く次の答えを知りたくてうずうずしていると、
悪魔の奴、勿体つけるようにゆっくりとしゃべり出した。

’それはね、発酵食品だ。味噌とか納豆とか毎日食べるだろ。
あれが日本人を健康に保ってくれている’

そういわれてみると、ちょっと前のネット上にこんな記事があった。

腸活で免疫力向上 発酵食品、食物繊維取ろう
東京新聞 4/17
https://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/202004/CK2020041702000174.html

内容をかいつまんで紹介すると、
人間の腸内には免疫細胞の50%以上が存在するが、
ウィルスが体内に侵入しようとした時、
小腸などにある免疫細胞から
「分泌型IgA」という物質が粘液内に分泌され、
ウイルスや病原菌にくっついて侵入を防ぐそうだ。

分泌型IgAは乳酸菌の働きで分泌が促される。
これらはヨーグルトやみそ、納豆などの発酵食品を食べると、
摂取できるという。

’日本人に生まれて良かったな。
そのおかげでオヤジ達は元気に生きられるのだよ。’
悪魔が嬉しそうに囁いた。

どうして悪魔が嬉しそうにするのか、
ちょっと判断に苦しむが、
コロナウィルスに対抗するオイラ達を、
ちょっとでも元気付けようとしているのかね。

’特に名古屋人は、
ミソカツ人と揶揄されるほど味噌が好きで、
ミソカツや、味噌煮込みうどんが大好きだろ。’
と悪魔が言ってくるので、

そうだそうだ、
先日、FBで名古屋人のことを、
ミソカツ人と馬鹿にした奴がいたので、
ちょっと頭にきていたのだけれど、
あれは案外、褒め言葉かもしれないなぁ。

名古屋や愛知県では、
味噌なしでは生活ができないほどに、
毎日の食生活に入り込んでいるので、
ひょっとして、
新型コロナウィルスの流行初期に、
愛知県は患者数が多かったのが、
その後は全然といっていいほどに増えないのも、
味噌文化が根付いているおかげかもしれない。

それにね、
オイラは晩御飯の時に、納豆に酢を混ぜて食べている。
酢は体に良いとされているが、
実はそれだけでなく、
夜間に心臓の動きがゆっくりとなって、
血流が遅くなった時でも、
血栓を作りにくくする効果があるらしい。

そのため、酢を混ぜた納豆を食べると、
心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ効果もあるそうだ。

水戸にお住まいのNさん達、
応援してますので、たくさん納豆を作ってね~
などと通販のご常連の皆さんにエールを贈りたい気分だよ。

実際のところ、
最近ではスーパーの納豆の販売量が凄いらしいと聞くし、
オイラも、酢納豆を食べだしてからは本当に体調がいいので、
元気が良すぎて、愛人の一人でも作りたいくらいだわ。

などと悪魔に冗談をいってみると、

’体調がいいのは本当にいいことだよ、
人間にとっても、コロナにとっても’

悪魔の奴、妙なことをいうなと思ったので、
コロナにとってもって、いったいどういうことだい?
と聞いてみたが、オイラの問い掛けには全然答えずに、

’発酵食品が効果的なのはお互いに大変結構な話だが、
それは日本だけのことかい?’

悪魔が他所の国の可能性も示唆してきたので、
そういえばつい最近読んだネットニュースには、
ドイツの話が出ていたっけ。

ドイツで古くから伝わる家庭料理、
ザワークラウトも
再評価されているそうだ。

ザワークラウトは食べたことがある方も多いと思うが、
ソーセージの付け合せに出てくる、
あの酸っぱいキャベツのこと。

若い頃は、ソーセージばかりに心奪われて、
付け合せなどに、
見向きもしなかったのが悔やまれるが、
メイン料理の引き立て役が、
実は素晴らしい効果を持っているかもしれないなんて、
なんだかいつも冴えないジジィのオイラが、
突然のようにモテルようになるかもなどと、
ついつい勘違いしてうっとりしていると、

悪魔の奴、

’人生は甘くないぜ’
とぴしゃり。

だから酸っぱいキャベツを食べるんだろ、
と返してみたが、
それに返事が返ってくることもなく、
昨日と同じように、
白くなった明け方の空に恐れをなしたのか、
いつの間にか姿が消えていた。

悪魔の奴、よほど陽の光りが怖いらしい。
ひょっとして…

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-お断り-
この話はすべてフィクションで、
たまたま見た夢を綴っただけのことです。
外出をオススメしているわけではありませんので、
念のため。
なお、この物語は当分の間、続きますが、
すべて実在の人物、会社、組織とは関係ありません。
どうぞご承知おき下さい。