悪魔の囁き、その5。インフルエンザの死者数。

今夜もいつもの時間に目が覚めて、
うつらうつらしていると、
悪魔が現れてこう囁いた。

’日本のインフルエンザの死者数って、
年間でどのぐらいあるか知ってるかい?’

それなら知っている。
ちょっと前に気になって調べていたので、
プレジデントの記事によればこんな感じだ。
https://president.jp/articles/-/33053?page=2

この記事によれば、
毎年3,000人以上の人が亡くなるとのことで、
これは2020年2月18日の発信だから、
新型コロナが流行る前の記事になる。
だから余計な思惑は入っていないだろう。

ちなみにこの記事のグラフの数字を追ってみると、
2019年度の死亡者は、
1月-1,685人、2月-1,107人、3月-258人
4月-96人、5月-52人、6月-11人となっていて、
そのあとは、12人、11人、21人となるから、
ひどい状況は5月ぐらいで収まっているが、
この後で、
新型コロナと比較するために数字を出すと、
1月~4月までの累計は3,146人となる。

また感染者数はどうかといえば、
インフルエンザは多い年になると、
1,000万人を超えることもざらで、
日本人の多くが、
毎年このインフルエンザにかかっていることになる。

’インフルエンザの特効薬でなんかあったけ?’

悪魔が聞いてくるので、

薬としてはタミフルやリレンザなどがあるけれど、
とても特効薬とはいえないよね、こんな数字をみせられると。
薬よりも、自分の免疫力で治してしまう人のほうが、
ずっと多いのじゃないかね。
などと言ってみた。

’確かにそうだと思うよ、
薬はあくまでも補助の力で、
風やインフルエンザに掛かったら、
暖かくして寝ているのが一番で、
そのうち免疫が働きだして熱が出るから、
熱をあまり下げないように気をつけて、
汗をかいたらすぐに拭いて、
汗に濡れた下着なども、
できるだけ早く換えたほうがいいね。
そうすれば2~3日中に症状が治まるよ’
などと、悪魔が返してきた。

熱を下げないって、どういうことよ?
熱は下げたほうがいいんじゃないかい、
と聞いてみると、

’熱は上がらないと免疫が働かない。
だから熱が出るのは、体が皮下脂肪などを燃やして、
熱を上げてウィルスと戦う準備を始めている証拠だ。
40度以上の高熱ならともかく
ちょっとの熱なら下げないほうが免疫が効きやすい’

悪魔の奴、平然といってのけた。

まるで、解熱剤などは最後の手段で、
できるだけ使わないほうがいいと言っているようだ。
まぁ、悪魔のいうことだからね、
話し半分に聞いておいてやろう。

’じゃあ、今回の新型コロナの死者数は知っているかい?’

続けて悪魔が聞くので、

あぁ、それも調べたばかりだ。

ヤフーの記事の5/9現在の数字によれば、
https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200207

国内の感染者数は累計で15,874人、
死亡者数は643人となっている。

この数字って、
単純にインフルエンザの死亡者数と比較すると、
全然といっていいほど少ないじゃないかねぇ?
とオイラは思うのだけれど、
これって間違っているのかしらん?

2019年の1月から4月末までの、
インフルエンザ患者の死亡者数は3,146人。
それもこれはタミフル他、
有効な薬があるという前提での数字だ。

一方で、
新型コロナの場合の死亡者数は、
5月までで643人だ。
そしてこれは有効な薬がまだ見つかっていない、
そんな状況での死者の数だ。

さて、これってなんだか変じゃないかねぇ、
おい悪魔よ、お前はどう思っているんだい?
すぐに悪魔に聞いてみると、

’オヤジよ、数字がすべてを物語っている。
治療方法や治療薬が確立している前提で、
死者数が3,146人。
治療薬がまだないといわれているのに、
死者数が643人だ。
要するに新型はたいしたことはない、
てことだよ’
などと、とんでもないことを言うので、

おい悪魔、
今の状況でそんなこといったらまずいだろ、
世間から石を投げられるから、
黙っておけよ。
といってみると、

ニヤッと笑いながら姿を消した。

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-お断り-
この話はすべてフィクションで、
たまたま見た夢を綴っただけのことです。
外出をオススメしているわけではありませんので、
念のため。
なお、この物語は当分の間、続きますが、
すべて実在の人物、会社、組織とは関係ありません。
どうぞご承知おき下さい。