悪魔の囁き、その7。コロナウィルスとBCG。

‘日本では、欧米諸国ほど新型コロナの被害が少ないだろう。
何故だと思う?’

いつものように現れた悪魔が、いきなりこう切り出した。

確かにアメリカやヨーロッパと比べると日本の感染者数は
圧倒的に少ない。
5/13日現在の数字だと、
感染者数はアメリカが1,369,314人と断トツだが、
日本より人口が少ないスペインで228,030人、
イギリスで226,463人、イタリアで221,216人ということで、
同時期の日本は16,024人だから、
単純な比較でも日本の感染者数は1/10以下だ。

2019年の国別の人口を見てみると、
日本は1億2686万人だが、
イギリスは8,753万人、イタリアは6,055万人だから、
イタリアが日本の人口のほぼ半分とするならば、
日本の感染者数は1/20以下ということになる。

またそれぞれの国での死亡者数は、
アメリカが82,340人で感染者数に対する致死率が6.0%。
スペインは26,920人で11,8%、イギリスは32,692人で14.4%、
イタリアでは30,911人で13.9%、日本は668人で4.1%と、
日本は死亡者数も致死率もとても少ない。

これは何か理由があるに違いないと思って、
先日からアレコレと情報を集めていると、
4/27のデイリー新潮に面白い記事がのっていた。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200427-00621888-shincho-soci

”日本株のBCG接種に「コロナ死」抑制力の根拠”
というテーマで、

日本人が結核予防のために0歳児に摂取するBCGは、
パスツール研究所から日本に持ち込まれたあとで、
日本株としてワクチンが培養されるようになったもの。

ワクチンは他にデンマーク株やソ連株などがあるが、
日本株を使用している日本や台湾、タイでは
100万人あたりの死亡者が1人かそれ以下だ。

一方、デンマーク株を使用しているポルトガルの死亡者は47人。
そもそもBCG摂取をやっていないイタリアやスペインでは300人を
超えていて、どうやらBCG摂取はコロナウィルス撃退に、
一役買っているのではないかと噂されている。

などと書いてある。

なるほど、それで悪魔はどう思うのかな?
BCGが有効なのかい?
と聞いてみたのだけれど、

悪魔の奴、オイラの問いには答えないで、

’70歳以上の日本人にはBCG摂取がされていないって知ってたかい?’
などと聞いてくる。

BCG摂取は1951年ぐらいからなので、確かに70歳以上だと
BCG摂取はされていないかもしれない。

ということは、もし仮にBCG摂取が有効だとすれば、
その恩恵に預かれない70歳以上の方々は、
コロナウィルスに犯されないように、
充分に気をつけたほうがいいってことか。
それで高齢者の感染者に亡くなられる方が
とても多いわけなんだな。

そうだよな?

もう一度、悪魔に聞いてみると、
悪魔の奴、それにも答えずに、

’BCG摂取は細菌性肺炎に予防的効果があるといわれている。
結核菌のある成分が、
感染を予防するための自然免疫を刺激しするので、
免疫力を高めていると、もっぱらの噂だ。
特にワクチンに含まれる生菌の数が多い日本株のBCGが、
日本人を新型コロナから守ってるかもしれないね。’

悪魔の奴、たまにはもっともらしいことを言うな、
ちょっと感心していると、

’でも、実は日本人を守っているものは、
BCGともう一つの理由があって…’

そこまで言いかけると悪魔は、
白んで来た明け方の空の光を避けるように、
すっと消えていった。

おいおい、もう一つの理由って一体なんだよ、
答えは明日の夜までお預けかい?
と叫んでみたが、悪魔からの返事はない。
しょうがない、明日の夜まで答えは待ってやろうか…

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-お断り-
この話はすべてフィクションで、
たまたま見た夢を綴っただけのことです。
外出をオススメしているわけではありませんので、
念のため。
なお、この物語は当分の間、続きますが、
すべて実在の人物、会社、組織とは関係ありません。
どうぞご承知おき下さい。