11月の雨と12月の霜は...2012/12/03


先週の月曜日(11/26)のこと。
歳をとってくると、どうしても目が覚めるのが早くなってしまう。
いつまでも寝ていることが難しくなって、この日も朝の4時過ぎには目が覚めてしまった。
すぐには起き上がることができないので、そのまま布団の中で外の気配を伺うと、大きな雨粒の音が伝わってくる。
外はけっこう激しく降っているようだ。
行こうかな?それとも、くたびれた体を冷やしたくないので見送ろうか?
布団の中でしばらく逡巡する。

さて、11月ももう終わり。
例年だと渓流は禁漁なのでこの季節に釣ることはないのだが、
今年はずっとローカルリバーに通っていて、12月まで釣っても良いので、禁漁は関係なくなってしまった。
禁漁の期間に楽しめるのはありがたいのだけれど、ただ一つ問題があって、この季節のデータがまったくない。
初めての川でコンスタントに釣るには、膨大なデータの蓄積が必要なのだが、
ローカルリバーは今シーズンから始めたばかりなので、すべて自分でデータを蓄積しなければならない。
この季節に渓流で釣ったことはないが、さてこんな雨の日でも釣れるものだろうか?
魚を釣るのは自分の仕事だが、条件が変わった時に釣れないのを確認するのも仕事のうち。
雨で体が冷えるのは嫌だけど、これも仕事だから頑張るべぇ、
そう言い聞かせて車に乗り込んだ。

朝の6時半ごろにローカルリバーのいつものポイントに到着。
雨は止むことなく降り続いていて、時折その勢いが強くなったりしている。
流れは寒々としていて、釣り人を拒んでいるようにも見えるけれど
流れの中はそれほど濁っているわけではないので、ウェットフライならまったく問題はないだろう。
カッパを着込んで、気が変わらないうちにさっさと流れに立ちこんだ。



今朝は、新品のロッドの竿おろしも兼ねている。
お試し会で使ったスコットのニューモデル、T3H 1064/4の出来が素晴らしかったものだから、
シラメのシーズンインを待ちきれずにグリップのコルクのカバーを外してしまった。
竿おろしでボーズは困るので、多少の雨でも簡単には引き返せない。

合わせるラインはスカンジナビアコンパクトの270gr、
オーバーヘッドでもスペイでもどちらでもOKなので、バックの状況いかんにかかわらず、極めて汎用性の高いシステムだ。
使うフライは前回と同様に、 濁りの中でも目立ちやすい#8 Alex-SHE をドロッパーに、リードは#8 Stranger をセット。
どちらもそろそろアタリパターンになりつつあるので、迷った時はこの2本に助けてもらうことにしている。

狙ったポイントの上流側から流し始めて、3ステップぐらい下がったところでゴツンとヒット。
まぁまぁのサイズで、おろしたばかりの4番ロッドは悲鳴を上げるが、
さすがにスコット、へこたれることなく、しばらくのやりとりで相手を手元まで寄せてくれた。



ヒレが整っていて綺麗な魚体。ピンクのバンドが美しい。
雨の日の釣果としてはこれ1本で充分で、雨足がだんだんと強くなってきて、
おまけに風まで出てきたので、早々とロッドをたたむことにした。

釣っていた時間は短いけれども、11月末の寒い雨の日でもちゃんと釣れるとわかったのは大きな収穫。
これでご常連にもススメやすくなるだろう、雨の日でも釣れるから、イヤがっちゃぁいけねぇよ、なんてね。

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昨日(12/03)はまた朝の4時に目が覚めてしまった。
今朝は雨の音は聞こえないが、なんだか寒そうだ。
しばらく布団の中でウトウトしたあとで、新聞を取りにいって車のフロントガラスをひょいと見ると、
窓ガラス一面に氷がびっしり、放射冷却でずいぶん冷え込んだようだ。
車の周辺は、白い霜がそこらじゅうに降りている。

12月の霜が降りる時に渓流で釣ったことなど、もちろん1度も経験がない。
けれどもこれも仕事のうちだ。釣れるか釣れないか、それを確認するのも常連の皆さんへの大事なサービスの一つだろう、
寒くてしぶる体に言い聞かせて、車に乗り込む。
ローカルリバーのいつものポイントへは、朝の6時40分ごろに到着。

ポイントに着いて車から降りてみると、すぐ近くの水たまりには氷が張っている。


転がっている枯れ枝には白い霜がびっしりと張り付いていて、


こんなのを見てしまうと、一瞬気が怯んだが、まぁ来てしまったものはしょうがない。
とりあえず我慢できるところまでやってみましょうとタックルをセット。
前回同様にスコットのT3H 1064/4を取り出して、ラインシステムもフライも同じものを使うことにした。

流れに降りてびっくり、今朝は雨は降っていないのに、ひどく濁っている。
おおかた上流で工事でもやっているのだろう。



まぁ、ウェットフライだから、多少の濁りは関係ないと自分を励まして、
さっそく狙うポイントの頭から釣り下っていく。

5投ぐらいしたところでラインが止まった。
軽く合わせてみるとゴンゴンと手ごたえが伝わってきた。
足もとまで寄せたのはこんなニジマス。サイズはちょっと小ぶりだが、これもヒレが整っている。
綺麗な魚体が嬉しい相手だ。



ローカルリバーは、有志が放流してくださっているとはいえ、それほど魚影が濃いわけではないので、
基本的には1か所で粘らずに、どんどん次のポイントを目指したい。

今日はラッキーなことに、たまたま次のポイントにかたまっていたようで、
こんなのと、



こんなのがドロッパーにヒット。
アレキサンドライメージのAlex は、本当に頼もしいパターンだ。


3匹も釣れれば充分なので、あとはいろんなポイントを試してみて、10時ごろに納竿。

霜が降りた寒い朝でも、ちゃんと釣りになるのが分かったのは、これも大きな収穫。
11月の雨と12月の霜は、なんら障害にはならないということで、これで今月も常連にオススメできそう。
釣りものが少ないこの季節、日釣り券1,500円か、年券3,000円を購入してくだされば、
正々堂々と釣りができる貴重な存在のローカルリバー、ぜひ皆様もお楽しみ下さい。