イワナの恩返し、その3。今日こそは...。
2008/08/04


前回、前々回と2回続けて尺イワナは出ませんでした。
今日(08/04)こそは、何としてでも釣らないと帰れません。
お母さんの容態のセカンドオピニオンを伺うのが8/07の木曜日、
それまでに少しでも良くなっていただきたいと、色んなことを藁にすがって試しております。
チャンスは今日しかありませんので、プレッシャーがかかりますね。

さていつものように、夕方のイブニング狙いで庄川にやってきました。
17時半スタートで1時間ほど釣り上がり、最後に狙いをつけたプールで大物を狙う作戦です。

本日はおかげで魚の反応がすこぶる良く、1時間ほどでまぁまぁのサイズを10匹ほどゲット。
目指すプールについたのは18時30分ごろで、周囲がやや薄暗くなり、雰囲気は最高です。

ところで...
暮れなずむ夕闇の一時、科学的な灯りがない時代には、古人はこの時間帯のことを、
”逢魔が時”とか”彼は誰時(かわたれどき)”などと呼んでおりました。
街灯などの明かりがない時代、夕闇の薄暗い時には相手の顔が分かりませんので、
彼は誰ですか?
という意味合いで”彼は誰時”といっていたようです。
ただし広辞苑によれば、後の世には明け方の薄暗い時間帯を”かはたれどき”、
夕方を”たそがれどき”と呼んでいた、との記述がございます。

狙いをつけたプールに陣取って、まだちょっと早いかなぁなどと思いながら、
目の前にポンとフライを置いてみると、いきなりスッと消えてしまいました。
まだ心の準備ができていなかったため、軽くあわせたつもりが力が入り過ぎたのでしょう、
フワッとラインが宙をよぎります。

大きかったのでしょうか?
彼は誰ですか?
そう問いかけてみても、街灯のない流れの中で、
”彼は誰時”には、相手を確認するすべがございませんね。
失敗でした。
ただ幸いなことに、手ごたえなくアワセ切れしましたので、相手は驚いておりません。
ポイントが荒れなくて助かりました。

すぐに新しい#11ラストホープBOを結んで、プールの流れ込みを手前から順番に狙って行きます。
何度かキャストを繰り返し、流れ込みの落ち際にフライを落とした時、
大きな茶色の塊がふわりと浮かび上がって白いフライをくわえてくれました。

顔が優しいのでメスでしょう、38cmありました。



ただ、この画像だとフラッシュが光ってしまったせいなのか、あまり大きく見えませんね。
ではこちらの画像はいかがでしょう、
無造作にいきなりリリースすると溺れますので、
呼吸を整えるために小さなポケットに入れて休ませているところですが,



こちらは大きく見えますね、同じ魚です。

先日リリースしたのはメス、いまリリースしたのもメスイワナ、
お父さんのためにも、何とかオスイワナもゲットしたいところです。

空を見上げるとまだ少しだけ残光がございます。あと5分ぐらいはできるでしょうか。
もう一度流れに向かって水面をじっと睨んでいると、さきほどよりもやや左側、
流れがちょっと澱んだあたりで、ピシッと鋭いライズ音が出ました。
シメシメ、もう1匹入っているようです。

狙いをつけたところにソッとフライを置いてみますと、疑うことなくパクリとくわえてくれました。
鼻がちょっと曲がりかけて、下あごがしゃくれてますね、オスでしょう、36cmありました。



この魚もしばらく休ませたあとでそっとリリース、
脳梗塞で体を動かすことが難しくなったお父さんの顔が脳裏に浮かびます。
ちょっとでも恩返しがあると良いのですが....

----

PS-釣行日から4日後の本日、セカンドオピニオンを伺いに、
2番目の病院に行っていた嫁からさきほど電話があって、
お母さんの腫瘍は劇的に縮小したとのこと。マーカー値も改善しており、
医者の話しでは、信じられないほどに良くなっていますよとのことです。

また、お父さんのほうも、
いままで殆ど体を動かすことができなかったのが、
なんとご自分で起き上がることができるようになりました。

イワナの恩返しがあったのでしょうね、本当にありがとう!

なお、今回の釣り日記につきましては、多くの方より励ましと助言を頂戴しました。
本当にありがとうございました。