サメとどぜうとビールを注ぐ女。
2007/10/24


今日はティムコさんの展示会ですので、早起きして東京まで行きました。
毎年この時期に開催されるティムコさんの展示会では、
来シーズンを占うニューアイテムがずらりと並んで、我々を楽しませてくれるのですが、
今回一番おもしろかったのは鮫肌のフライライン、わさびでもおろせそうなほど凄いものでしたよ。
まぁ冗談はさておき、ではちょっとだけご紹介を。

これが3M=SAのニューモデル、シャークスキンです。



いずれ入荷しましたら詳細はご案内するとして、まずはこれをご覧下さい、ほんのサワリだけね。



これは、このラインの顕微鏡写真ですが、ホントに鮫肌になってますでしょ。
びっくりしました、どうやってこんなの作ったんやろ?

で、鮫肌の効用はというと...
ラインとガイドとの接地面積が減りますので、遠投しやすいとのことです。
さっそく外で振ってみますと、確かに軽く振っているのに飛距離は良く伸びます。
キャスティングがお好きな方には、きっとうけるでしょうね。
ただ、鮫肌は当然のことながら表面がゴツゴツしてますので、ガイドとの接触音がとても大きい。
デンバーのショーでこのラインが発表された時には、あまりの音の大きさに、観客一同、ラトルスネークか?
とびっくりしたほどですから(さすがアメリカ)、市場が慣れるのにちょっと時間が掛かるかもしれませんね。
でもオススメできますので、さっそくオーダーしちゃいました。
同じようなコンセプトのリッジライン、危うし?かもね...。

さて、他の展示品の中でこれはと思ったのは、
蝶の鱗粉の発色原理を応用したモルフォファイバー、マテリアルおたくにはたまりませんなぁという新作です。
ウィングやボディ材に使うマテリアルですが、光り方が面白いので、他の人が使う前に使わなくっちゃ、
入荷が楽しみですね。

また、エポキシやUV系のシーラーを多用する方にオススメなのが、
タフライ ブルーライト樹脂キットで、可視光線の青い光で硬化させるアクリル樹脂のコーティング材です。
肉盛りが良く、ボリュームが出し易いのが特徴で、社員の竹内さんが巻いたシュリンプパターンなどは、
琵琶湖の藻エビも真っ青の良い出来栄えでした。
キャンディタイプのミノー系などを巻くときにはきっとお役に立ちますよ。
本家ボブ ポポビック氏ご推薦のコーティング材です。

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というわけで、新製品を楽しんだ後は、浅草の手前、駒方まで行ってみました。
ちょうどお昼時ですので、サメのあとはどぜうにしましょう。
(どじょうならぬ、どぜうと書くのが老舗のプライドなんですなぁ。)



有名な駒方どぜうの入れ込みに上がって、まずはどぜう鍋を1枚、
おいらはネギが大好きなので、てんこ盛りでこぼれそう。



これは座敷に上がる時に、下足番の方が渡してくれる下足札ですが、
都内の老舗の食べ物屋さんでは、いまだにこうやって押し寄せるお客様の靴を預かってます。
そういえば、前回上京した時に行った有名なあんこう屋さんでも下足札を出しておられましたが、
下足番を雇えるほどの老舗の実力って、本当にうらやましいなぁ、などと思ったものでした。

今日は下足番の方に靴を預けるのが恥ずかしいほどたくさん歩きましたので、
(要するに迷い迷って歩き回ったので靴が泥だらけ、方向が分からない田舎ものなんですなぁ。)
喉が渇きましたから、通風の神様には片目をつぶってもらって、
ビールを1本だけいただきましょう。
で、おねぇさん、蒲焼もお願いしますで、ビールももう1本、
(両目もつぶってくださいな、今日は特別)
おねぇさん、柳川もお願いしますで、ビールももう1本。
(心眼もつぶってくださいな、今日は別格)
どぜう鍋ももう1枚お代わりして、ビールは3本も飲んじゃいました。
通風の神様が怒ってくるけどしょうがない、このあとの閉所恐怖症に耐えねばならぬのですから。

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蔵前から大江戸線に乗って六本木に向かいます。
大江戸線は、昨日停電事故を起こしたばかりですので、ちょっと乗るのがためらわれます。
それに大江戸線は経費節約のために車両を通すトンネルが小さくて、閉所恐怖症のオイラは苦手な路線です。
5年ほどまえに、車に乗っていて後ろからぶつけられてむち打ちになった時も、
診断のためのMRIが怖くて、機械が動き出してから慌てて飛び起きて逃げ出したほど。
閉所恐怖賞1級の腕前ですからえっへん、(エバってどうする)、
狭いところも人混みも大嫌いのおいらとしては、できれば都内の地下鉄はカンベンしていただきたいのですが、
地上は地理が分からないので目的地に辿り着けません。
そこで本日は、おいしいどぜうで酔いに紛れて六本木に辿り着こうという作戦でした。

任務無事終了で六本木に到着、
地下鉄に乗るもの一仕事のおいらとしては、目的地に辿り着くだけで作戦完了です。
で、その後はどうしたかといえば、これを見に行きました。



国立新美術館で12/17まで開催しているフェルメール展、
フェルメールはめったにお目にかかる機会がありませんからね。
人混みの恐怖に耐えたご褒美だったのですが...

え〜と、どぜう屋さんで余分にビールを飲んだのは、おいしいからであったのはもちろんですが、
ちょっと時間つなぎの意味もありまして、
この美術館は閉館が6時ですので、閉館2時間前ぐらいなら平日ですし、人混みもちょっとは緩和されるんじゃない、
そう思ってどぜう屋さんでのんびりして、4時過ぎにやってきたのですが、
あ、あまかった、都内の人の多さって本当に凄いですね、何処もかしこも行列してます。

話しはかわりますが、
先日のこと、名古屋市内で伊藤若冲展をやっていた時は、火曜日の平日でしたので、
有名な象の絵も、マスがいったい幾つあるんやろ、と思って数え始めても、
半分ぐらいは数えることが出来るほどにのんびりしてました。
(ごめん、ホントは100個ほど数えて止めました。目がまわっちゃったんです。)

また別の日のこと、三重県津市の美術館でシャガール展をやっていた時は、
やはり平日でしたので、シャガールに抱かれて館内を飛べそうなほどにガラガラでした。

それなのに東京では、
平日の閉館時間がもうすぐ迫っている時間帯なのに、どの絵の前でもずっと行列しております。
おいらは人混みが苦手なんですよ、そっとつぶやいてみるのですが、誰もカンベンしてくれません。
オイラの前にも後ろにも、ずっと行列が続いておりまして、
絵を見に来たのか、それとも人間を見に来たのでしょうか、という感じです。
今回の展示品の中での一番の目玉、
”牛乳を注ぐ女”のところでは黒山の人だかりで、とても近寄れません。
おかげでこの女性が注いでいるのが牛乳なのか、
それともちょっと白っぽいからさっき飲んだビールの泡なのか、
遠くからでは全然わかりませんでした。

ちょっと飲みすぎたかな、
牛乳かビールか分からんのは自分のせいだろ、もっと控えんかい!
両目どころか3番目の心眼までつぶってくれた通風の神様に怒られました。